パワハラと言われない部下指導
先日「パワハラが怖くて部下指導できない」と相談されました。
厚生労働省はパワーハラスメントを「同じ職場の人間に対し地位や人間関係など職場内での優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える行為」と定めています。
部下がミスをした際にカッとなって怒鳴りたくなった時には、まず6秒待つことをお勧めします。なぜならば、6秒経てば理性が働き冷静さを取り戻せるからです。
また「心理的安全性」を作ることも大事です。心理的安全性とは、不安なく率直に発言できる状態のことです。これを構成する因子としては4つあります。①話しやすさ(何を言っても大丈夫)②助け合い(困ったときはお互い様)③挑戦(とりあえずやってみよう)④新しいこと、奇抜なことも歓迎(ドンと来い)です。
部下指導する際には「カキクケコ」を実践しましょう。
「カ」は改善策。部下がミスをした時に言い訳から始まっていたら、それは上司に責められたと感じているかもしれません。「なんでこんなミスをしたんだ」「どうして目標が達成できないんだ」という質問は責められていると感じます。
「ミスが出た原因はなんだろう」「どうして目標が達成できないんだろう」と事実を確認し「どうやったらうまくいくのか」と改善策を考える質問をします。
「キ」はキャッチボール。コミュニケーションしているつもりでも、一方通行のドッジボールになっていないでしょうか。こちらがアドバイスした際に「どう思うか」と部下に聞いた時に「はい。わかりました」としか答えないのであれば、答えにくい、反論しにくい雰囲気が漂っているのかもしれません。相手が話しやすくなるようにキャッチボールを意識した会話をします。
「ク」は具体的行動。「どうしたらいいと思う?」と改善策を質問した時に「頑張ります」というだけで結果が出ないこともあるでしょう。「具体的にどうするのか」具体的行動に焦点をあてましょう。
「ケ」は傾聴。部下の話を聞く時に、「部下はこの事をどう思っているんだろう」「本当は何を伝えたいんだろう」と相手の意見や考えを理解しようとしながら聞くことを意識します。
「コ」は個別。個別に話すことでお互いの関係性も深まり、人前では言えない意見や考えが聞けるかもしれません。大勢の前で吊るし上げにするようなことはやめましょう。
パワハラ指導にならず、部下育成指導ができるようになるとパワハラ防止法も怖くありません。