ポジでもないネガでもないフラットな自分になろう

自己肯定感とは、ありのままの自分を大切な存在だ、価値ある存在だと思える心の状態のことです。

例えば、他人と比べて「自分はスタイルが悪い」「仕事ができない」と考えるのではなく、これがありのままの自分だからここに存在していること自体に価値があると思えることです。ところが「どうせ私なんか」「いつも私はダメだ」など自分に対してネガティブな思いを抱く自己肯定感が低い人は意外と多いように思います。

そこで、自己肯定感を高めポジティブであろうとしたものの上手くいかずに、かえって落ち込んでしまった、という話もよく聞きます。

自分は自分でいいんだ、自分に満足している、と思おうとすればするほど疲れを感じてしまうようです。ましてや落ち込んでいる時に「ポジティブにいこうよ」「そんなに落ち込んでどうするの」と周りから言われるのは辛いものです。自己肯定感は無理に高めようとする必要はありません。大事なのは、どんな自分でも受け入れることができるようになること、自己受容することです。

心理学研究の国際比較調査で、自分自身に満足しているかという問いに「はい」と答えたアメリカ人は86.9%、韓国人は73.5%に対して、日本人は45.1%でした。日本人特有の謙遜があるとしても、2人に1人が満足していないというのは残念に思います。

しかし、自己肯定感を高めるために自信の持てる何かがなくてはならない、ネガティブな考えは持ってはいけないというのも不自然な感じがします。

落ち込んだり必要な反省をした上で、元の自分、フラットな状態に戻ることが大切なのです。そんな力をレジリエンス(回復力)と言います。

日本人の自己肯定感の低さは、良いところを伸ばすより、できないところを克服する方を重視した教育方針や、親から「これはダメ、あれもダメ」といったダメ出しを受け、親に褒めてもらいたいと思いながら育った生育環境に影響を受けていると考えられます。そのため、成人してから自己肯定感を高めようとしても、それまでの積み重ねがあるだけに、そう簡単にはできないでしょう。

つまり、できない事も含めて、他人と比較する事もあれば、ネガティブな捉え方をするのも自分なのだ「そんな事もある、これも全部自分だよね」と、自分を丸ごと受け止めるだけで十分なのです。それに加えて、落ち込んだ時にフラットな自分に戻るための力(レジリエンス)があれば、もっと楽に生きていけそうです。

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