パワーハラを防止するために必要なこと

 

2020年からパワハラ防止法が施行されます。

 パワハラは、上司と部下の信頼関係が不足していたり、上司に部下を一人の人間として尊重する意識が不足していたりすることに原因があります。

 反り返った姿勢で足を組み、挨拶を無視するのは、相手にコミュニケーションを拒否する態度と感じさせます。言葉だけでなく、表情や態度は相手とのコミュニケーションに重要な役割を果たしているのです。

 ある企業に勤めるAさんは、20代の入社2年目です。仕事の量が増えた時に失敗が重なり、上司に何度かきつく注意され落ち込むことが増えました。失敗を注意する上司の声が次第に大きくなり、失敗してはいけないと思って緊張するせいで、また失敗をしてしまうのです。

 上司に相談すると「自分で考えろ」と言われ、相談できずに失敗すると「なんで報告、相談しないんだ」と怒られることが続きました。上司に挨拶をしても顔も見てくれず、嫌われているのではないかと不安になりました。夜も眠れなくなり、会社に行くのが怖くて、朝になると身体がだるく憂鬱な気分が続くために受診したところ、適応障害と診断され、しばらく休むように主治医から言われました。

 そのことを上司に相談すると、Aさんの顔も見ず「人事に診断書を持っていって、休めば」と冷たく言われました。その態度でAさんはさらに落ち込んでしまいました。上司は「必要な注意をしただけだ」と言うかもしれません。しかし、上司の態度のせいでAさんは気持ちが落ち込んでしまったのです。部下とのコミュニケーションを悪化させ、仕事のパフォーマンスを低下させれば、企業にとっても損失です。

 上司の立場にある人は、コミュニケーションには言葉だけでなく、話し方や表情や態度も大事な役割を果たすということを認識する必要があるでしょう。

 「話を聞いてくれない」「一方的」「挨拶しても言葉を返さない」部下にこう思われている人は「感じが悪い上司」です。パワハラは、こうした非言語コミュニケーションを理解しないことの延長線上に存在するのです。

そうならないために、①部下との会話では相手の顔をしっかり見る ②部下の話をせかさない ③部下の話を聞いているという態度で、例えば、うなずくなどをする

④自分が一方的に話すのではなく、部下の話も聞く⑤相手の話を遮って自分が話すことはしない ⑥部下と会話をするとき、何か他のことをしながらしない⑦挨拶は必ず返す、ことに気をつけましょう。

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